100%減資

100%減資とは、会社が発行する株式のすべてを消却することで、既存株主の権利をすべて消滅させることを意味する。正式な法律用語ではなく、通称である。

「減資」は、資本金の減少を意味する言葉で、株式数とは本来は関係がない。従って、「100%減資」は資本金の減少に関する言葉のようにも考えられるが、実際には既存株主の株式数に関する言葉として、慣習的に用いられている。資本金額の減少という本来の減資とは違う意味で用いられる誤解の多い用語なので留意が必要である。
100%減資の具体的な方法として、私的整理においては、発行する株式に全部取得条項を付したうえで、100%の株式を無償で取得した後に消却することがある。会社更生法や民事再生法では、その計画の中で、既存株主の権利を消滅させる形で行われる。
企業再生スキームの1つであり、財務状況が悪化した会社の株主の責任を明確にするために、既存株主の地位を喪失させ、企業再生後の企業価値向上による恩恵を新たな株主だけに帰属させることが可能となる。

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