アンレバードベータ(βu)

アンレバードベータ(βu)とは、ある企業について、有利子負債がない(財務レバレッジをかけない)と仮定した場合のベータをいう。当該企業のベータ(=レバードベータ(βL))から、財務リスクを排除したベータであり、事業リスクを示している。
なお、CAPMに使用されるベータは、レバードベータ(βL)であることに注意が必要である(CAPMについては、「CAPM(資本資産価格モデル)」の項を参照)。

アンレバードベータ(βu)の算定には、以下の計算式が用いられる。

■計算式
 βU= βL / {1+(1-t)×D/E}
 t:実効税率 D:有利子負債 E:株式時価総額

レバードベータ(βL)は、有利子負債を持つ(財務レバレッジがかかった)現実の企業のベータである。仮に同じ事業リスクであっても、財務レバレッジが大きい企業ほど、レバードベータは大きくなる。
一方、アンレバードベータ(βu)は、財務レバレッジの影響が除かれている。このため、類似企業間の事業リスクの比較分析がしやすい。
株主資本コストの計算では、類似企業のアンレバードベータの平均値や中央値などを用いて、当該企業のアンレバードベータ(βu)を算出し、その後当該企業の財務レバレッジを考慮して、当該企業のベータ(レバードベータ(βL))を計算する(リレバードベータと呼ぶこともある)。

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