アンレバードベータ(βu)
アンレバードベータ(βu)とは、ある企業について、有利子負債がない(財務レバレッジをかけない)と仮定した場合のベータをいう。当該企業のベータ(=レバードベータ(βL))から、財務リスクを排除したベータであり、事業リスクを示している。
なお、CAPMに使用されるベータは、レバードベータ(βL)であることに注意が必要である(CAPMについては、「CAPM(資本資産価格モデル)」の項を参照)。
アンレバードベータ(βu)の算定には、以下の計算式が用いられる。
■計算式
βU= βL / {1+(1-t)×D/E}
t:実効税率 D:有利子負債 E:株式時価総額
レバードベータ(βL)は、有利子負債を持つ(財務レバレッジがかかった)現実の企業のベータである。仮に同じ事業リスクであっても、財務レバレッジが大きい企業ほど、レバードベータは大きくなる。
一方、アンレバードベータ(βu)は、財務レバレッジの影響が除かれている。このため、類似企業間の事業リスクの比較分析がしやすい。
株主資本コストの計算では、類似企業のアンレバードベータの平均値や中央値などを用いて、当該企業のアンレバードベータ(βu)を算出し、その後当該企業の財務レバレッジを考慮して、当該企業のベータ(レバードベータ(βL))を計算する(リレバードベータと呼ぶこともある)。
M&A用語を検索
バリュエーション・ファイナンス
- CAPEX(資本的支出)
- CAPM(資本資産価格モデル)
- D/Eレシオ
- DOE(株主資本配当率)
- DPS
- EBIT
- EBITDA
- J-KISS
- PBR(株価純資産倍率)
- PER(株価収益率)
- PSR(株価売上高倍率)
- ROA(総資産利益率)
- ROE(自己資本利益率/Return On Equity)
- ROI(投資利益率)
- ROIC(投下資本利益率)
- アンレバードベータ(βu)
- インカム・アプローチ
- 運転資本
- エクイティDCF法
- 回収期間法
- 加重平均資本コスト(WACC)
- 株式価値(Equity Value)
- 株主資本コスト
- 株主総利回り(TSR)
- 企業価値
- 希薄化(ダイリューション)
- コスト・アプローチ
- コントロール・プレミアム
- コンバーティブル・エクイティ(Convertible Equity)
- サム・オブ・ザ・パーツ分析(SOTP)
- 市場株価平均法
- 小規模リスクプレミアム
- 正味現在価値(NPV)
- 時価純資産法
- 事業価値
- ターミナルバリュー(TV)
- ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)
- デットライクアイテム、キャッシュライクアイテム
- 内部収益率(IRR)
- 年買法(年倍法)
- 配当割引モデル(DDM)
- バリュエーション
- 一株当たり純利益(EPS)
- 非流動性ディスカウント
- フェアネス・オピニオン
- 負債コスト
- フリー・キャッシュ・フロー(FCF)
- ベータ(β)
- マーケット・アプローチ
- マーケット・リスクプレミアム
- リスクフリー・レート
- リスクプレミアム
- 類似会社比較法(マルチプル法)